徒然帳

小説と、障害と、時々日常

それがいけないと言うのは簡単だけど…

OD、という言葉を聞いたことはあるだろうか

オーバードーズ、日本語訳すると過剰摂取。いわゆる薬物の大量摂取行為を指す言葉である

 

自分は過去、処方薬や市販薬を含めてしたことがある。一部の薬品に含まれる物質はこれによって効かなくなってしまったほどだ。もし可能ならそれをしない道を選びたかったというのが本音である。とはいえ、当時の自分はその力がなかったから出来たかといえば謎ではあるけれど

 

さて、この話をすると「何故そんなことをしたか」と聞かれることもあれば「そんなの止めた方が良い」と言われることもある

実際、内臓(特に肝臓)を傷つける可能性があったり薬品に含まれる物質が効かなくなったりするわけだし、それ以前にいくら合法薬物とはいえ、やってはいけない行為であることくらい分かる

自分の場合は現実逃避と、〝自分を傷つけている〟という、一瞬の精神的な安定を感じる為。いわゆる自傷行為で、自殺を図る為でもなければ、効き目が悪くなったからでもない。もっと自分本位なものだった

 

だが、自傷行為なんてそんなものだろう。誰に迷惑かけるわけでもなく(強いていえば自分に、だろう)ただそれをしたいからするだけなのだ

だが、それはあくまで自分という、主観的な立場から言えることで、そして知り合いがしていれば「分かる辛いよなー」と言えただろうことも、赤の他人がしていると分かると「やるのは構わんけど後々苦しむのも自分だからな」としか言えなくなってしまう。顔の見えないSNSは尚更その傾向が強い気がする

 

助けようとしても、その人が辞めたい、もしくはいけないことだと真に分かっているか分からないのだから、一度言って無駄なら言わなくなる

言わなくなる上に段々、罪悪感の欠片も見えないような様子だとフェードアウトしていく

 

だから「それはいけないことだ」と言うよりも精神的に疲れる「どうしてしてしまうのか」聞くのはそれが理由なのかもしれない

叱ることより理解を示す方が、人は寄り添われていると感じるから